東京消防庁にて「多数傷病者発生現場での救急活動VR訓練」デモデイを実施しました
イクスアール株式会社は、東京消防庁との連携のもと、救急活動VR訓練のデモデイを2025年3月12日に実施いたしました。この取り組みは、東京消防庁の「デジタル技術の実装に係る公募事業」に弊社が「VR技術を活用した救急活動訓練の実現」を行う連携企業として採択され、2023年12月22日に連携協定を締結した活動の一環として行われました。
背景
東京消防庁では近年、救急出動件数が増加の一途を辿っており、2022年には過去最多の872,075件を記録しています。これにより、隊員が資器材を準備して訓練を行う時間や、多数の傷病者が発生する特異な災害に対応するための訓練時間を確保することが困難な状況が行政課題となっています。度重なる連続出動や病院からの転戦出動の中で、救命技術を維持するための訓練時間の確保が特に課題となっています。
こうした背景から、イクスアールはVR技術を活用し、災害現場などを仮想空間内でリアルに再現することで、「いつでもどこでも」、「短時間で」、「少人数で」、効果的かつ効率的に救急活動訓練を実施できる環境づくりを目指し、プロトタイプを制作しました。これにより、広い場所や多くの資器材を使用しなくても、効率的に継続して技能管理を行えるようにすることを目的としています。
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多数傷病者発生現場での救急活動VR訓練について
今回プロトタイプを制作した訓練コンテンツは、多数の傷病者が発生した現場での先着救急隊の救急活動をVR上で訓練するものです。
訓練は、まず「先着救急隊任務クイズ」から開始されます。その後、「初動対応後クイズ」、「大量出血止血クイズ」といった選択式クイズを実装しています。
クイズの後に、現場に配置された様々な状態の傷病者ごとに、トリアージの判断を行います。
傷病者ごとにトリアージタグが表示され、ランダムに配置されるチェック項目から判断に必要な項目を選択し、傷病者の状態を確認・入力します。
傷病者の状況は、吹き出し文やバイタルサイン(呼吸数、橈骨動脈触知など)から確認可能です。
全ての傷病者に対してトリアージ判断を行った後、最後に正誤結果が表示され、訓練終了という流れです。








デモデイについて
今回のデモデイでは、「多数傷病者発生現場での先着救急隊救急活動VR訓練」を中心に体験いただきました。
当日は、東京消防庁の救急部救急指導課をはじめ、多数の職員の方々にVR訓練を体験いただくことができました。


DEMODAYに参加いただいた職員の方々を対象にアンケートを実施し、「再現度」「操作性」「訓練効果(知識の定着、判断力・対応力向上)」「頻度」「改善点」「期待する効果」などの項目について評価していただきました
アンケート結果の集計結果より、下記ご意見をいただきました。
•再現度: 訓練には十分ではあるが、改善の余地あり。
•操作性: 慣れが必要との意見もあり。
•訓練効果: 「知識の定着」「判断力・対応力向上」ともに、「まあまあ役立つ」との回答が多い。
また、体験頂いている際には、傷病者との接触を増やすと、より効果的な訓練が可能なのではという改善のご意見を多数いただきました。その他の改善点としては、傷病者のリアリティ向上、現場に即した内容・スピード感、操作性の改善、バイタル測定の分かりやすさ、入力の簡易化などが挙げられました。
イクスアールは、本デモデイでの貴重な機会とフィードバックを通じて得られた知見を活かし、救急救命現場のニーズに応じた救急活動VR訓練システムの更なる発展を目指してまいります。
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